さくら市食育推进计画画

は じ め に

「食」は私たちが健康で心豊かに生きていくために欠かすことのできないものであり、「食」を通じたコミュニケーションは精神的な豊かさをもたらす大切なものです。

しかしながら、私たちの食生活はライフスタイルの急速な変化により、不規則な食事や栄養の偏りに起因する肥満や生活習慣病の増加 家族と楽しく食卓を囲

む機会の減少、又、人格形成期にあるこどもの情緒面においても様々な問題が顕在化しています。

こうした状況を踏まえ、食育基本法による国の「食育推進基本計画」 県の「とちぎの食育元気プラン」に基づき、さくら市食育推進計画を策定いたしました。 この計画では、市民の皆様が生涯にわたり健康で心の豊かさを実感できる暮らしができるよう、食に感謝する心を、家族で楽しい食生活を、さくら市の多彩で安全 安心な食材をいかした栄養バランスのとれた食生活等を、各家庭や学校など、さらに地域 行政が連携協力して進めてまいりますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

結びに、本計画の策定にあたりご尽力いただきましたさくら市食育推進計画策定委員会の委員の皆様をはじめ、多くの貴重なご意見やご提言を賜りました関係者や市民の皆様に深く感謝申し上げます。

平成２４年３月

さくら市長

人見 健次

目次

第１章 計画策定の背景など 1 １．計画策定の背景 1 ２．計画策定の位置付け 1 ３．計画策定の期間 2

第２章 食をめぐる現状と課題 3 １．世帯構成について 3

２．食育に関する意識 4 ３．生活習慣から言えること 7 ４．地産地消に関わる地域と自治体 11 ５．食品の安全性についての意識 13

第３章 基本理念 基本目標 15 施策体系 16

第４章 施策の展開 18

１．家庭における食育 18 （１）規則正しい食事の推進 18 （２）バランスの良い食生活の推進 18 （３）親子で取り組む食育 20

２．保育園 幼稚園 小学校 中学校における食育 21 （１）保育園 幼稚園における食育 21

（２）小 中学校における食育 23

３．地産地消と地域のつながり 26 （１）さくら市産農畜産物の地産地消促進 26 （２）消費者 飲食店 生産者との相互理解の促進 30 （３）食文化の継承 発展 31

４．食と健康 32 （１）母子保健活動における栄養指導 32

（２）市民の健康と食育 33 （３）高齢者保健と食育 34 （４）歯の健康 35 （５）受動喫煙防止による食環境づくり 36

５．食の安全を守る取り組み 37 （１）食の安全を確保する取り組み 37

第５章 今期計画の目標 40 食育推進計画の目標設定 40 食育推進計画に関わる各事業の目標値設定 41

第６章 計画の策定 42

食育推進体制 42

食育推進連携体制 43

第１章 計画策定の背景など

１．計画策定の背景

近年、ライフスタイルの多様化に伴い、食生活をめぐる環境の変化と共に、食を大切にする意識が希薄になりつつあります。健全な食生活の喪失、食習慣の乱れなどから引き起こされる肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向や拒食など様々な健康問題が起こっています。また、輸入農作物の残留農薬や、食品の偽装表示、原発事故による放射性物質の問題など、食品の安全性に対する不安が高まっており、食を取り巻く多様な問題を解決するとともに、健全な食生活を実践することができる人間を育てるための食育の推進が求められています。

国は、平成17年７月に「食育基本法」を制定し、平成18年３月には食育の推進を図るため「食育推進計画」を策定しました。また、栃木県におきましても食育の県民運動を推進するために平成18年12月に「とちぎの食育元気プラン」を、平成23年３月には「とちぎの食育元気プラン（第２期）」をそれぞれ策定してきました。

当市ではこれまでも健康増進計画「健康21さくらプラン」に基づき、食育や健康に関わる様々なことを行ってきました。今後は家庭 保育園 幼稚園 学校 地域 関係団体 生産者 行政等、食育に関わる全ての関係者が連携 協力し、食育 地産地消に関する施策を計画的に推進するため、「さくら市食育推進計画」を策定するものです。

２．計画策定の位置付け

この計画は、さくら市における食育推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的事項として定めるものであり、食育基本法第18条第１項（※１）に基づく市町村食育推進計画として位置付けています。

策定にあたっては、国の「食育推進基本計画」、県の「とちぎの食育元気プラン」などの上位計画及び「健康21さくらプラン」との整合 調整を図ります。

また、「地産地消と地域のつながり」では、「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律」（６次産業化法）第41条（※２）に基づく「地域の農林水産物の利用の促進についての計画」として位置付けています。策定にあたっては、県の「とちぎ地産地消推進計画」などの上位計画及び「さくら市振興計画 後期計画」との調整を図ります。

（※１）食育基本法第18条

市町村は、食育推進基本計画（都道府県食育推進計画が作成されているときは、食育推進基本計画及び都道府県食育推進計画）を基本として、当該市町村の区域内における食育の推進に関する施策についての計画（以下『市町村食育推進計画』という。）を作成するよう努めなければならない。 （※２）６次産業化法第41条第１項

市町村は、基本方針を勘案して、地域の農林水産物の利用の促進についての計画を定めるよう努めなければならない。

３．計画策定の期間

計画の期間は、平成24年度（2012年４月）から、平成28年度（2017年３月）までの５ヶ年計画とします。

また、計画期間中であっても、計画の進捗状況や社会情勢の変化などを的確に把握し、必要に応じて計画の見直しを行います。

第２章 食をめぐる現状と課題

１．世帯構成について

平成22年度さくら市の世帯数は14,865世帯、そのうち核家族世帯は8,202世帯、

単身世帯は3,569世帯となっています。平成２年以降、大幅に核家族化が進んでいます。

人口 世帯数の推移

区分 総 人 口

０～14歳 15～64歳 65歳以上 世帯数 核家族世帯数 単身世帯数

平成２年 36,543人7,299人24,161人5,081人9,402世帯4,547世帯1,240世帯

平成７年 38,289人6,684人25,394人6,205人10,584世帯5,297世帯1,676世帯

平成12年40,030人6,282人26,520人7,228人11,788世帯6,365世帯1,995世帯

平成17年 41,383人

6,358人 26,839人 8,186人

平成22年44,768人6,480人29,024人9,180人

12,997世帯 14,865世帯7,288世帯 2,432世帯

8,202世帯3,569世帯

※資料：国勢調査結果

注）総人口には「年齢不詳」を含むため、内訳を合計しても総数に一致しません

注）平成12年以前の数値は「旧氏家町」「旧喜連川町」の合計値です

核家族世帯 単身世帯の推移

16,00014,00012,00010,0008,0006,0004,000

平成７年世帯数

平成12年核家族世帯数

平成17年単身世帯数

平成22年

平成２年

〔現状と課題〕

2,000

近年、核家族化や両親共働き世帯増加等の影響から、共食の減少や、食事マナーの悪化、食事時間の不規則化、伝統的食文化と触れる機会の減少などが懸念されています。

また、高齢単身世帯の増加に伴う、配食などの必要性も高まっており、画一的ではない多様な支援体制を検討していく必要があります。

２．食育に関する意識

※基礎データ「平成23年度さくら市食育推進計画アンケート調査結果」

（１）「食育」の周知について

※集計結果を百分率（％）で表す場合、小数点第２位を四捨五入し第１位までの表記としました。このため、百分率の合計が100にならない場合があります。

食育という言葉や、その意味に

ついて、一般市民（成人）の回答では「言葉も意味も知っている」との回答が52.3％と最も多く、「言葉は知っているが、意味は知らない」との回答を合わせると「食育」という言葉について約９割の認知度があります。 小 中学生の回答では、「ことばは知っているが、意味は知らない」

「ことばも意味も知っている」という回答を合わせると「食育」という言葉について約８割の認知度があります。

５歳児保護者の回答では、「言葉も意味も知っている」との回答が62.5％と最も多く、「言葉は知っているが、意味は知らない」との回答を合わせると「食育」という言葉について約９割の認知度があります。

〔現状と課題〕

全体的に「食育」という言葉の認知度は高いものの、その意味や実践すべき内容についての理解は十分に周知されているとは言えません。今後は家庭 学校 地域を中心に、より「食育」を意識した食生活を実践していく必要があります。

（２）「食育」への関心について

食育への関心の度合いについて

一般市民の回答では約７割が「関心がある」もしくは「どちらかといえば関心がある」と回答しています。

５歳児保護者の回答では、約９割が「関心がある」もしくは「どちらかといえば関心がある」と回答しており、関心の高さがうかがえます。また、子育てにおける食育の重要度について、９割以上が「とても重要」もしくは「重要」と回答しています。 食育推進に関わる体験活動（ボランティア等）への参加意向について、

一般市民の回答では、69.2％が「参加してみたいとは思わない」と回答しており、「参加してみたい」は27.7％となっています。体験活動の内容で最も参加意向が多かったのは「生活習慣病予防などのための料理教室」です。

〔現状と課題‘

食育への関心は一般市民 ５歳児保護者共に非常に高いため、市民にとって魅力的な食育体験活動（ボランティア等）を模索 実施することで参加希望者の増加を図り、食育の周知と支援を拡げていくことが重要です。また、乳幼児と保護者が共に楽しみながら食育について学ぶことのできるような講習会やイベント等を定期的に行い、より一層の啓発に努める必要があります。

（３）食に対しての期待

食育に関してさくら市に期待する施策について、「地産地消の推進」との回答が最も多く、次いで「食育 食文化に関するイベントの開催」「広報やホームページで食育の特集など啓発やＰＲ」との回答が続きます。

飲食店やレストラン、職場の給食施設や食堂などに、食生活の改善や食育推進のために望むことについて、「栄養のバランスのとれたメニュー」との回答が最も多く、次いで「食品添加物の少ない食材の使用」「カロリーなど栄養成分の表示」との回答が続きます。

〔現状と課題〕

行政に期待することとして、「地産地消」「イベントの開催」など市民自らが積極的に関わっていく内容の回答が多く寄せられており、また、飲食店やレストラン、職場の給食施設や食堂などに、食生活の改善や食育推進のために望む内容から、健康に対する意識が強いことがわかります。今後は地域と行政の連携をより強く押し出した施策が求められています。

３．生活習慣から言えること （１）朝食の摂食状況について

朝食の摂食頻度について、「ほぼ毎日」との回答が約８割と最も多くありました。一方、「まったく食べない」との回答は3.6％となっています。朝食を食べていない理由については、「食べる時間がない」との回答が最も多く、次いで「食べたくない」との回答が続きます。

小 中学生の回答では、男女共に「毎日食べる」との回答が９割

朝食を食べていない理由については、「食べる時間がないから」「朝ごはんが用意されていないから」「食欲がないから」「眠いから」等の回答があります。県の調査（※）における朝食摂食率は、小学４年生88.5％、中学２年生88.8％となっており、さくら市は比較的高い水準であると言えます。

※平成23年度栃木県の児童生徒の体力 運動能力調査

５歳児保護者の回答では、「毎日」との回答が86.0％と最も多く

ありました。一方、「まったく食べない」との回答は1.1％となっています。朝食を食べていない理由については、「食べる時間がない」との回答が最も多く、次いで「食べたくない」との回答が続きます。また、子どもの朝食の摂食頻度については、「ほぼ毎日」との回答が96.8％と最も多くなっています。一方、「全く食べない」との回答は0.4％となっています。子どもが朝食を食べない日の理由については、「子どもの食欲がないから」との回答が最も多くなっています。

〔現状と課題〕

全体的に朝食摂食率は高い水準にあります。この朝食摂食率の高さを維持していくため、今後も引き続き「朝食の大切さ」の周知を図っていく必要があります。

（２）食習慣について

栄養バランスのとれた食事につ

いて心がけているかについて、一般市民の回答では「ほぼ毎日」との回答が42.0％と最も多く、「全く自由にしている」との回答は約２割となっています。

子どもの食事について、５歳児保護者の回答では、栄養バランスのとれた食事を週にどれくらい心がけているかの回答について、「ほぼ毎日」との回答が47.0％と最も多く、次いで「週４～６日」との回答が続きます。

内臓脂肪症候群（メタボリック

シンドローム）という言葉やその

意味について、「言葉も意味も知っている」との回答は約８割であり、「言葉は知っていたが、意味は知らなかった」との回答を合わせると約９割となり、非常に認知度が

高いことがわかります。また、メタボリックシンドロームの予防や改善のために、適切な食事または

定期的な運動を継続的に実施しているかについては、「時々気をつけているが、継続的ではない」との回答が最も多くなっています。

〔現状と課題〕

メタボリックシンドローム予防 改善のための講習会を料理教室や、その他の食育活動と結びつけて定期的に実施するなど、食と健康の結びつきをより明確に示す必要があります。

（３）小 中学生の食生活について

食事の挨拶について、小学生は男女共に約７～８割が「いつもあいさつをする」と回答していますが、中学生では男女共に約６割程度に減少しています。

家で食事の手伝いについて、小学生女子の９割が「よく手伝う」もしくは「時々手伝う」と回答しています。中学生になると男女共に食事の手伝いをする割合が減少しています。

学校給食について、小 中学生男女共に約７割が「好き」もしく

は「どちらかといえば好き」と回

答しています。その理由としては

小 中学生共に「おいしいから」

一方、「嫌い」「どちらかといえば嫌い」と回答した児童生徒の理由としては小学生では「きらいなも

のが出る」「量が多い」「食べる時

間が短い」との回答が多く、中学

生では「おいしくない」との回答が最も多くあります。

〔現状と課題〕

中学校進学後の生活の変化による「食に対する意識の低下」を防ぐためには小学校低学年からの意識づけが重要です。家庭においては共食の機会をできるだけ増やし、学校においては学級活動や給食の時間等を利用し、正しい食生活 食習慣を再認識できるような食育指導が必要です。

（４）乳幼児の食生活について

子どもとの共食頻度ついて、５歳児保護者の回答では、「ほぼ毎日」食べるとの回答が91.6％と最も多くなっており、「週１日もない」との回答は0.4％となっています。

子どものインスタント食品摂取について、５歳児保護者の回答では、「週１日も食べない」との回答が

次いで「週１～３日」との回答が46.7％となっています。

子どもの食生活について、５歳児保護者の回答では、「よい食生活だと思うし、今後も維持したい」もしくは「よい食生活だと思うが、今後さらによくしていきたい」との回答は合わせて約７割となっています。「よい食生活だと思ってはいないが、特に変える気はない」との回答は3.2％となっています。

〔現状と課題〕

乳幼児の食生活においては、短時間で作れる「子ども向けメニュー」等のレシピを学ぶことができる料理講座や、母親学級 栄養相談の実施による正しい食習慣 栄養バランス等の周知が必要となります。

４．地産地消に関わる地域と自治体 （１）「地産地消」の周知について

「地産地消」という言葉やその意味について、「知っていて、実践している」との回答が45.6％、「知っているが、実践はしていない」との回答は

約９割近い市民が「地産地消」という言葉やその意味を認知しています。

野菜や農産物の入手先について

「スーパーマーケット」との回答その理由としては「家や職場が近いなど利用しやすいから」との回答が最も多く、次いで「品揃えが豊富だから」「食品以外の買い物も一緒にできるから」との回答が続きます。

地産地消を推進するにあたり、効果的だと思う取り組みについて

「スーパーなどの量販店で、さくら市産品の取扱量を増やす」との回答が最も多く、次いで「学校給食にできるだけ、さくら市産食品（食材）を使用する」との回答が続きます。

〔現状と課題〕

「地産地消」についての認知度および関心は非常に高くなっています。消費者に向けた「さくら市産食材を使ったオリジナルメニュー」等を考案し、飲食店や食育イベント等を通じて提供するなど、様々な方法を用いてさくら市産食材を身近に感じてもらえるよう周知を図る必要があります。また、広報やホームページによるＰＲ活動を積極的に行い、より多くの市民 団体と連携をとることが必要となります。

（２）農業体験について

農業に関する体験について、市民、中学生男女共に「ある」との回答は約６割となっています。体験内容は主に「収穫作業の体験（稲刈りや芋掘り、野菜の収穫など）」、「栽培開始時期の作業の体験（田植えや野菜の種まきなど）」となっています。

子ども達の食育を進める上で、農業体験が必要と思うかどうかについて、87.7％が「必要である」と回答しています。

農業が活性化するために必要だと思う施策について、「さくら市産農産物を利用した加工品の推進」が最も多く、次いで「さくら市独自ブランド食品の開発」「観光関連施設や飲食店と連携してさくら市産食品（食材）を積極的に使用する」との回答が続きます。

〔現状と課題〕

農業体験については、多くの市民がその必要性を感じており、今後も農業体験を身近に感じることのできるような施策を進める必要があります。地場産の加工品や独自ブランドの開発を求める回答が多く寄せられております。今後は様々なニーズを把握し、さくら市のイメージづくりにも貢献するような新規商品展開を模索していく必要があります。

５．食品の安全性についての意識

市民が食品の安全性について不安を感じているかについて、「少し不安を感じている」「不安を感じている」「大いに不安を感じている」を合わせると約８割が何らかの不安を感じているという結果となっています。不安を感じていることとして、「放射能汚染による食品の安全性」との回答が最も多く、次いで「輸入食品の安全性」「食品中の農薬や抗生物質等の残留」との回答が続きます。

５歳児保護者の回答では、「少し不安を感じている」「不安を感じている」「大いに不安を感じている」を合わせると約９割が何らかの不安を感じているという結果となっています。不安を感じていることとして、「放射能汚染による食品の安全性」との回答が最も多く、次いで「食品中の農薬や抗生物質等の残留」「食品添加物の安全性」との回答が続きます。

今後さくら市が力を入れていくべきだと思うことについて、「食品の抜取検査（行政検査）の強化」との回答が最も多く、次いで「食品の製造所 販売店への立入検査の強化」「消費者への食品に関する情報提供の強化（ホームページや広報の充実）」

５歳児保護者においてもほぼ同様の回答です。

〔現状と課題〕

食品の安全性に対して不安を感じている割合が非常に多くなっています。今後はさらに厳しく、さくら市内の食品の品質 安全管理の強化に努め、随時最新の調査データを市報やホームページ、イベント等によって積極的に開示し、さくら市産食品が「安全 安心」であることを広く周知するよう努めます。

本文来源：https://www.bwwdw.com/article/adum.html